室内飼いが推奨される理由。少し前まで放し飼いが多かったのに何故?
猫と人間の暮らしはここ数十年で大きく変わっていきました。中でも一番変化したのは、「室内飼いが推奨されるようになったこと」なのではないかと思います。今回は、どうして室内飼いが推奨されるようになったのか、また、猫と暮らすお部屋のあり方についてご紹介していきます。
目次
かつては放し飼いが多かった?
現在は「猫を放し飼い」と聞くと驚いてしまう方も多い時代になってきましたが、少し前までは放し飼いをしていることはそこまで大きな問題になっていませんでした。
私の母に聞くと、もちろん家だけで飼っている人もいたが、道に野良猫がたくさんいたし、エサを玄関先だけであげる人、そして色んな猫が出入りできる家もあったなど、皆それぞれ自由に猫と触れ合っていたんだそうです。
猫好きとしては何となくそんな暮らしもいいなあと思ってしまいましたが、時代が進むにつれて、どんどんと室内飼いが推奨されるようになっていきました。一体何故なのでしょうか?
室内飼いが推奨される理由は?
外には危険が沢山あるから
お外には多くの危険が潜んでいます。
天敵や他の猫との争い
外にはカラスやヘビ、タヌキなど多くの天敵がいます。また、他の猫とは縄張り争いが起こることもあります。
こうした動物同士の争いには手加減というものはありません。そのため、外から怪我を負って帰ってきたという話もよく聞きます。
感染症、寄生虫
外には感染症や寄生虫など見えない敵もたくさん存在します。恐ろしいことに、外にいる猫の大半が感染症や寄生虫などに健康を害されているのです。
「野良猫と触れ合うのは控えた方が良い」と言われるのは、こういった問題が大きく関係しています。
交通事故に遭ってしまうから
自動車を運転している方は「急な猫の横断にヒヤッとした」という経験が1度はあるかと思います。
猫は右左と確認して道路を渡ることはしません。むしろ、車のライトにビックリして慌てて道路に飛び出てくることがあるのです。
放し飼いにしていれば愛猫がいつ交通事故に遭ってもおかしくありません。
ご近所へ迷惑をかけてしまうから
猫を放し飼いにすると、ご近所の敷地内に勝手に入って大切な花壇を荒らしてしまう等、大変なご迷惑をかけてしまう可能性があります。
たとえご近所の方が猫対策をしようと思っても、猫は柵を簡単に飛び越えてしまいますし、防ぐことはなかなか難しいでしょう。
ご近所の方との関係はなるべく良好を保っていたいものです。そのため、ご近所からのクレームで完全室内飼いに変更したという方も少なくありません。
また、避妊・去勢手術をしていない外の猫にエサをあげることで猫を知らず知らずのうちに繁殖させてしまうこともあります。
毒団子を食べてしまう恐れもある
近所の飼い猫の糞害などに悩みに悩んだ結果、「毒団子を食べさせてしまおう」という残酷な発想になってしまう方も世の中には存在します。
猫達の命のためにも、なるべく室内飼いにしてあげましょう。
帰って来れなくなることもあるから
愛猫を自由に出入り出来るようにしておくと、定期的に猫が顔を見せにきてくれますし、そんな生活が当たり前になっていきます。
しかし、外でも生活している以上、愛猫にどんなことが起こっているかは全く把握できません。そのため、理由もわからず急にパッタリと帰って来なくなったと悲しむ飼い主さんも少なくありません。
猫が住みやすいお部屋を考えよう
以前は放し飼いをしている方が多かったのですが、現在では室内飼いの方が当たり前になってきました。
ただ、猫は外の暮らしをしてきた動物でもありますから、人間のために作られたお部屋ではどうしても退屈を感じやすくなります。
そのため、猫の生活を考えた爪研ぎやキャットタワー、キャットウォークなど、さまざまな猫グッズが売られるようになったり、最近では猫と暮らすのにピッタリの「ペット共生住宅」も少しずつ見られるようになってきました。
愛猫にストレスフリーな生活を送ってもらうためにも、お部屋に工夫をしていきましょう。
さいごに
猫の生活はここ数十年でガラリと変わっています。「室内飼いなんて、猫は可哀想ではないか!」という意見もありますが、じつは猫たちは外で暮らすことにそこまで執着はしていないんだそうです。
外で暮らしたとしても、猫は決まった縄張りの中だけで行動しますし、それが家に変わっただけ。
室内だけで暮らせば、猫たちは多くの危険に遭わずに、飼い主にお腹を見せて安心して眠ることができます。
猫の研究も年々進み、これからも猫との暮らしにおいて新しい発見が出てくるかと思いますが、愛猫のために良いことはなるべく取り入れていきたいですね。
カテゴリ:暮らしと健康
- ペットdeペット編集部 うーたん 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。
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