猫の寄生虫に気をつけよう!手遅れにならないために飼い主が出来ることとは?
猫を飼う上で知っておきたいことの1つ、寄生虫の話。初期の異変を逃すと後々厄介なことになったり、愛猫や自分自身の命の危険にもなります。
猫の寄生虫はどのような虫がいるのか。そして、どのように対応・対策をすれば良いのでしょうか?私の体験談もあるので是非ご参考にしてみてください。
(虫の写真は付けてないので、虫が苦手な方も安心してご覧ください。)
目次
うちの猫にマダニが寄生してた話
以前わたしは寄生虫について、”野良猫”や”お家と外を行き来する猫”だけの問題と思っていました。しかしそれは間違っていました。ある日、うちで飼っていた猫のグーちゃんのほっぺにマダニが付いていたのです…。
最初は何か分からず大きめのイボかと思いましたが、母が「マダニなんじゃ?」と言うので怖くなりすぐに病院に連れて行きました。母の言う通り先生からマダニとの診断を受け、処置をしていただきました。
それにしても、ほっぺに虫がグサッと入り込んでいる様子はなんとも言えない気持ちになりました。
どうしてうちのグーちゃんが?と思ったのですが、稀に家から脱走してしまうことがあったので、その時に寄生されたのだと思います。
お家で飼っているとは言っても一度でも外に出たら交通事故や喧嘩以外にもこんな危険があるんだと知り、外に出さないよう、より一層気を付けるようになりました。
うちの猫に瓜実条虫が寄生してた時の話
これは私が生まれる前の話なので、母から聞いた話です。初めて聞いた時、ゾッとしました。
ある時布団の上に2mmほどの白い粒がたくさん落ちていたそう。何か分からないので、とりあえず布団を干したようです。しかし、次の日も、その次の日も白い粒は落ちているのでした。
そこで、そういえば猫のミーちゃんがここでいつも寝てたな。と、寝ているミーちゃんをちょっと観察したそうです。するとお尻の穴に動くものを発見…。糸のような虫でお尻の穴から出てきて、しばらくすると小さく切れて楕円形に丸まって固まったんだとか。
怖い!と思い動物病院へ行くと、瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)(別名サナダムシ)と判明。もともと捨てられ猫だったのでノミが身体に付いていたのが原因なのではないかと言われたようです。
瓜実条虫なのにノミ?と思った方もいると思いますが、ノミは成長過程に瓜実条虫の卵や幼虫を糞を介して食べていることがあるので、ノミ自体に寄生していることがよくあるんだそうです。
その後ミーちゃんはノミの駆除と、病院でもらったお薬で無事治りました。
どんな寄生虫がいるのか
ダニ・マダニ
寄生するダニは何種類かいますが、ここではダニの中でも厄介なマダニと耳ダニをご紹介します。
マダニ
ダニの中でも大きいことが特徴的です。マダニ自体は2~3mm程度ですが、動物に寄生をし吸血をすると1cm以上になることもあります。
草木にいることが多く、寄生できる動物が来るのをジッと待っています。目は見えないので、感覚がするどい足をまっすぐ伸ばして待っています。
マダニは蚊のように針を刺すのではなく、噛みつくことが特徴的です。噛まれたら痛そうだけど、マダニから出される成分により痛くないんだそう。
マダニの怖いところは媒介性感染症の恐れがあること。
その中でもSFTSウイルス(重症熱性血小板減少症候群)に関しては、感染した猫に噛まれたことによる人間の死亡例もあります。
耳ダニ
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)は、名前の通り耳に寄生するダニ。激しい痒みが特徴的で、猫がしきりに耳を掻いたり頭を振ったりします。耳の中が黒ずむことも特徴の1つです。
耳ダニは感染した猫と接触、または間接的に接触することで感染します。感染力が強いので同居しているペットがいる際は一緒に治療する必要があり、お家の中の消毒や、洗濯が必要になります。
ノミ
ノミは1~2mm程度の大きさなので肉眼で見えることは見えるが、見え難いです。なので小さな卵や幼虫の時期は見えません。ノミの特徴としてはジャンプ力が高いところと、吸血するところです。
吸血をすると1日か2日ほどで卵を産みます。繁殖力がすごいのです。
ノミがいるかもしれないと感じたら猫の身体をよく見てみましょう。細かい黒い粒があるかを確認してみてください。この黒い粒というのはノミの糞です。
確実にノミの糞なのかを知りたい時は、濡れティッシュに置いてみてください。ノミの糞なら周りが赤く滲むので確認してみましょう。
ノミは寄生しているだけでも嫌ですが、”寄生するとアレルギーを発症し皮膚の炎症を起こす猫がいること”や、”身体を舐めた際にノミを飲み込んでしまい、そのノミが食べたであろう瓜実条虫の幼虫がお腹の中で繁殖してしまうこと”が厄介な面ですね。
おなかの虫
前述の『うちの猫に瓜実条虫が寄生した時の話』の瓜実条虫がおなかの虫の1つです。
他にもネズミを捕食することや、親猫から感染する回虫(かいちゅう)、感染した猫からまた感染を拡げる鉤虫(こうちゅう)や鞭虫(べんちゅう)など、様々な種類が存在します。人間にも感染する可能性があります。
おなかの虫は普段気付きにくいですが、猫によっては下痢や嘔吐等、体調に異変を起こします。異変を感じたら動物病院で検査をしてもらい、寄生虫を見逃さないようにしましょう。
寄生虫を見つけたら
もし寄生虫を見つけても、焦って自分で対処してはいけません。
無理に取ろうとして虫を潰すと卵を飛ばして更に虫を増やす恐れもありますし、頭を皮膚の中に入れて血を吸うマダニは上手に取りきれず頭部が皮膚に残ってしまう時があります。
「このくらい自分でやってしまおう」は危険です。必ず病院で診てもらいましょう。
望ましいのは予防薬
寄生虫は動物病院で予防薬を定期的に打つことで事前に防ぐことが出来ます。
予防したい寄生虫によって予防薬の種類が変わり、寄生虫によっては予防薬を打つべき時期とそうでない時期もあります。かかりつけの動物病院で、いつ、どの予防薬を使うべきか相談してみましょう。
日頃の対策
お家での感染の可能性も少なからずありますが、外に出入りするような猫ちゃんは寄生される可能性がとても高いです。寄生虫を気にするのであれば、完全室内外を徹底しましょう。
動物病院に健康診断に行くことで発見につながるケースもあります。時間を作って行ってみるのも良いですね。
日頃のブラッシングやノミ取りぐしでのお手入れも効果的です。長毛なら毎日、短毛なら週に3回程はやってあげたいですね。
そして、最も重要なことはスキンシップです。顔や身体全体を撫でることで早期発見に繋がります。猫ちゃんはスキンシップが基本的に大好きなので、信頼を深める意味でも普段から心がけたいですね。
さいごに
実際、愛猫に寄生虫が付いていると知ったとき、驚きと恐怖とショックと…色々な感情が込み上げました。しかし、知らないだけで寄生虫は意外と身近なものなんだと知ることが出来ました。
当時、私と私の家族は寄生虫の知識が乏しかったため、一度は「イボか?」とか「なにかのゴミか?」と危険な判断を下しかねませんでした。
むやみやたらに気にする必要はありません。でもいざという時にこういった知識が役に立つものですよね。
愛猫と私たち飼い主の健康のために、予防と対策をしっかりしていきましょう!
カテゴリ:暮らしと健康
- ペットdeペット編集部 うーたん 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。
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