猫に洋服ってどうなの?メリット・デメリットと注意点
現在、愛猫に洋服を着せる飼い主さんがとても増えましたね。たしかに愛猫が洋服を着た姿は、特別可愛くてたまらないですよね。しかし、猫に洋服を着せる前には飼い主としてメリット・デメリットをきちんと把握しておかないと、問題が生じるケースもあります。
愛猫大好きな飼い主さんには洋服を正しく使って安全に楽しみ、いざという時には洋服を有効に活用していただきたいです。そこで今回は、「猫に洋服を着せるメリット・デメリット」や「洋服を着せる際の注意点」をご紹介します。
目次
愛猫に洋服を着せていますか?
現在SNSの広まりもあってか、愛猫に洋服を着せる飼い主さんが本当に増えましたね。Instagramでは「#猫服」と検索するとたくさん出てきました!
店頭やネットでの洋服のバリエーションは以前よりも大幅に増え、愛猫に似合う服を選びやすくなっているようです。
皆さんの愛猫には洋服を着せていますか?これから着せる予定はありますか?
実のところ猫には猫本来の性質から、洋服を着ることでデメリットも生じます。そのため飼い主は愛猫に洋服を着せる前にデメリットもきちんと知っておく必要があります。
そして洋服は時に必要になることもあります。「可愛いから着せる」以外に一体どのような理由があるのでしょうか?
猫が洋服を着るデメリット
毛づくろい(グルーミング)ができない
猫の毛づくろいには、
- 身体を清潔に保つ
- 体温調節
- リラックス効果
などの理由があります。
猫は起きている時間の多くを毛づくろいに費やしていることから、とても重要な役割であることが分かります。
動作が制限されてしまう
猫は全身を使って運動をするため、洋服があると動きが制限されてしまいます。運動は猫にとってストレス発散にもなるため、出来るだけ何も着ていない姿で思い切り遊ばせたいです。
引っかかると危険
狭い場所や高い場所が好きな猫にとって、洋服は引っかかる部分が増えるため危険が増えることになります。猫はどこかに引っかかるとパニックになってしまい、冷静に外すことは出来ません。
体温調節ができない
猫は暑いと感じた時に自分で洋服を脱ぐことが出来ません。
その上、猫は毛づくろいで身体に付けた唾液を蒸発させることで体温を下げます。これを気化熱と言いますが、洋服を着せてしまうと身体が覆われるので毛づくろいが困難になり、体温調節が難しくなります。
違和感からストレスに繋がる
猫にとって洋服を着ることは自然なことではないので苦手な猫のほうが多いです。
飼い主との関係も悪くなるかも
洋服を無理に着せようとすると、飼い主のことまでも苦手になってしまう可能性もあります。
猫の洋服が活躍する場面
先ほど挙げた通り、猫は本来毛づくろい(グルーミング)などの理由から積極的に洋服を着せる必要はありません。
しかし理由があって洋服を着ている猫ももちろんいます。どのような理由で使っているのかをご紹介します。
術後の傷口カバーとして
術後、猫は傷口が気になって舐めたり噛んだりし、傷口が開いてしまう恐れがあります。そういった危険を防ぐために「術後服」を着せて、傷口を守ります。
過剰グルーミングを防ぐため
猫にはストレスなどの理由から過剰にグルーミング(毛づくろい)をしてしまい、一部の毛がなくなってしまうことがあります。その過剰グルーミングを防ぐために洋服が使われることがあります。
しかし、洋服が次のストレスになって症状が改善しないこともあるので注意も必要です。
皮膚トラブルの治療に
アレルギーや皮膚炎などの治療中には「皮膚保護服」を着せ、患部を掻いたり舐めたりすることや、塗り薬を舐めてしまうこと等を防ぎます。
エリザベスカラーの代わりとして
怪我や術後の傷、皮膚トラブルなどが悪化しないようエリザベスカラーが使われることがあります。エリザベスカラーとは、エリマキトカゲのような形のものを首につけて傷を舐めることが出来ないようにするものです。
しかし毛づくろいが出来なくなる以外にも食事、トイレ、睡眠、歩行が普段通りには出来なくなってしまうことからエリザベスカラーは猫のストレスになってしまうこともあります。
あまりにもエリザベスカラーが合わない猫ちゃんの場合は、代わりに「術後服」や「皮膚保護服」を着せて患部を保護します。
防寒対策として
例えばスフィンクスという品種の猫は、短い産毛で身体が覆われているだけなので寒さにとても弱いです。そういった寒さに弱い猫に関しては、洋服を着せることで快適に過ごすことができます。
一緒にお散歩をする際の汚れ対策
ハーネスを付けるなどして一緒にお散歩に行く場合、汚れ対策として愛猫に洋服を着せる飼い主さんもいます。
ただ、自由に家と外を行き来している猫ちゃんにはおすすめ出来ません。外は障害物が多いので、洋服がどこかに引っ掛かってしまう可能性があるからです。外には敵も多いので、身軽が一番です。
パーティや撮影などの機会に
パーティや撮影など特別な機会には可愛い洋服を着せることも良いでしょう。
洋服を着せる際の注意点
皮膚の保護や防寒などの目的以外に、パーティや撮影などの機会、または単にオシャレが目的で健康な猫ちゃんに洋服を着せることもあると思います。
こういった時はどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか?しっかりと注意していないと問題が生じるケースがあるので、確認していきましょう。
長時間着せない
毛づくろいや体温調節が出来なかったり、洋服によるストレスが長時間続くことは愛猫の健康、また精神面に良くありません。短時間で脱がせるように心がけましょう。
無理やり着せない
無理に着せてしまうと、洋服だけではなく飼い主までも嫌われてしまいます。頑張って着せたとしても洋服が苦手な猫ちゃんは大きなストレスを抱えることになります。
どうしても着せたい場合は、子猫時代から慣れさせたり、超短時間から練習を始めましょう。しかし、愛猫のことも考えて諦めることも大事です。
目を離さない
猫は洋服を脱ぎたいと感じると、無茶をしてでも脱ごうとすることがあります。変な場所に顎が引っかかったり、足が別の場所へ入ってしまうこともあります。
洋服初心者な猫はもちろん、慣れている猫であっても、洋服を着ているときは目を離さないようにしましょう。
装飾が少ないものにする
装飾が多いと誤食の危険や、ものに引っかかってしまう危険が増えます。出来るだけシンプルなデザインを選びましょう。
肌触りが良いものにする
出来るだけ着心地が良さそうなもの、または愛猫が好きな素材を選んであげましょう。
飼い主さんによっては生地にこだわって人間の服をリメイクしたり、生地から作ったりする方もいるようです。
動作の邪魔にならないものにする
撮影など極めて短い時間であれば大丈夫だと思いますが、そうではない場合は動作の邪魔にならないものを選びましょう。
さいごに
ワンちゃんの場合は洋服を着たら飼い主が笑顔になるので、それが嬉しくて一緒に楽しんでくれることも多いです。しかし、猫ちゃんは自由気ままな性格です。そういう思考になるのはなかなか難しいでしょう。
品種によっては大人しくて洋服をすんなり着せてくれる子も一定数いるようです。しかしそれに甘んじて長時間着せるようなことは避けましょう。
今はたくさんのおしゃれグッズが増えましたが、様々なことに注意し、デザインだけでなく性能などに注目して選んでいきましょう!
カテゴリ:これってどうなの?
- ペットdeペット編集部 うーたん 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。
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