またたびってそもそも何だろう?猫とまたたびの驚くべき関係と与え方について
猫がまたたびを大好きであることは周知の事実。しかし、またたびが一体どんなものなのか、どうして猫はまたたびに反応するのか、またたびに危険性は無いのか…、愛猫にあげるものなのに知らないことがたくさんありませんか?今回はそんな「猫とまたたびの関係」と「与え方」についてご紹介します。
目次
ことわざ・猫に木天蓼
・猫に木天蓼(ねこにまたたび)
誰しも1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。意味は、「非常に好きなもののたとえ。また、効果が著しいことのたとえ。」です。
このことわざは、猫はまたたびが大好物であることから生まれました。
どうやら猫がまたたびを好きであることは古くから知られていたようです。そんな猫が大好きな「またたび」とは一体何なのでしょうか。
またたびとはそもそも何?
またたびは正式にはカタカナで「マタタビ」と書きます。マタタビ科マタタビ属のつる性の植物です。
国内では北海道~九州の山に自生し、6月~7月には梅のような白い花を下向きに咲かせ、秋になると実をつけます。
マタタビの実・虫癭果
またたびの実には、正常な実と虫癭果(ちゅうえいか)の2種類があります。
虫癭果とは、マタタビミバエやマタタビアブラムシが子房に産卵し、正常な果実になれず虫コブができた果実のことを指し、こちらに猫が好きな成分が多く含まれています。
正常な実は表面がつるっとしていますが、虫癭果は表面がゴツゴツとしているのですぐに分かりますよ。
「またたび」の語源
現在最も有力な説は、アイヌ語の「マタタムブ」から来たというもの。「マタ」は冬、「タムブ」は亀の甲の意とし、亀の甲というのは虫癭果(ちゅうえいか)を表しているのではないかと言われています。
また、疲れた旅人がまたたびの実を食べたところ、再び旅を続けることが出来るようになったことから「復(また)旅」と名づけられたという説もありますが、こちらは単なる噂である可能性が高いようです。
猫とまたたびの関係は蚊にあった?!
古くから謎だった猫とまたたびの関係がなんと、岩手大や名古屋大、英国リバプール大、京都大の共同研究によって解明し、その研究成果は2021年1月21日、科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載されました。
なんと、猫のマタタビ反応は蚊を避けるための行動であることが分かったのです。
まず研究チームはまたたびの葉に含まれている成分を分離し、1種類ずつ猫に匂いを嗅がせてマタタビ反応を起こさせる成分を探しました。そして、過去の研究で見逃されていた重要な活性物質「ネペタラクトール」という成分にたどり着きました。
その後チームはネペタラクトールの性質を調べ、猫のマタタビ反応を解析したところ、ネペタラクトールには蚊を寄せ付けない効果があり、猫は体にまたたびを付けることで蚊から身を守っていることを突き止めました。
尚、猫がまたたびで酔っぱらったようになることとの関連性は未だ分かっていないようです。
またたびで酔っぱらいになってしまうのは
猫がまたたびで酔っぱらいのようになってしまう理由は、上記のネペタラクトールの他にもマタタビラクトン、アクチニジン、プレゴンという成分が関係していて、これらの成分が猫の中枢神経に作用し、快楽気分を味わせると言われています。
またたびの与え方
年齢
嗅覚と神経系が十分に成長した生後6ヶ月~1歳ころから与えましょう。1歳以上であれば問題ないとされていますが、超高齢になったら控えるべきという考えもあります。
量
慣れないうちは嗅がせる程度でも十分です。様子を見ながら少しずつ増やしましょう。
個体差はありますが、目安としては0.5g以内。ですが、商品によって与えるべき量が異なります。しっかりと読んでから与えましょう。
回数
頻繁にあげてしまうと反応が薄れてしまいますし、与え過ぎは何事も良くありません。多くても1週間に2回程度に抑えましょう。時々思い出した時にあげるくらいで丁度良いです。
場所
爪とぎにふりかけて与える飼い主さんが多いです。
猫は警戒心が強いので新しい爪とぎやおもちゃへの反応が悪いことがありますが、そういった時に付けてみると警戒心がほぐれて、それ以降使ってくれるようになったという話もよく聞きます。
他にも、食欲を増やすためにご飯に振りかけてあげる方法もあります。
効果がない猫も一定数いる
「猫にまたたび」というくらいなので絶対に反応があると思われがちですが、猫によっては反応がない場合もあります。反応がないからといって病気の心配をする必要はありませんし、たくさんあげても意味はないので諦めましょう。
またたびの効果
- リラックス効果
- イライラ軽減
- 食欲増進
- ご褒美に最適
- しつけにも
またたびはリラックス効果があることから、苦手なお手入れなど、ストレスを与えてしまった時のご褒美として最適です。
そして猫は犬と違ってしつけることは難しいとされていますが、またたびによって爪とぎなどに誘導することも可能です。
マタタビの危険性
依存性はない
人間がお酒で酔っ払っているのと同じように見えることから依存性を心配する飼い主さんも多くいますが、基本的に依存性はないとされているので安心しましょう。
過剰摂取は危険な可能性がある
またたびは脳へのダメージや呼吸困難、心停止など様々な危険性がある、とよく言われますが、未だそういった科学的根拠はありません。しかし、見つかっていないだけで確実に無害であるという根拠もありません。
それゆえに何らかの病気(特に心疾患など)を患っている猫であれば、こういった刺激になるものは避けた方が安心です。そして健康だとしても過剰摂取はさせないように気をつけましょう。
さいごに
普段冷静な猫たちが瞬く間にクネクネしてしまう姿を見るとつい笑顔になってしまいますよね。またたびはリラックスさせたり、新しいものに慣れさせたりする際にとても便利なグッズでもあります。基本的には安全なものなので、是非有効に活用してみましょう。
カテゴリ:これってどうなの?
- ペットdeペット編集部 うーたん 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。
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