そういえば「どら猫」ってどんな猫なんだ?のら猫との違いを分かりやすくご紹介!
日本人であれば誰もが耳にしたことがあるであろう「どら猫」という言葉ですが、のら猫との違いや言葉の由来を説明できる人はどれだけいるでしょうか。今回は「どら猫」や「のら猫」、そして「どら◯◯」の由来もご紹介します!
目次
どら猫という言葉は一体どこから
1969年から始まった国民的アニメ、サザエさんのオープニングテーマ曲「サザエさん」。この歌の入りである「お魚くわえたドラ猫」という歌詞は、どんな世代の方でも一度は耳にしたことがあると思います。
しかし、この歌詞にも使われている「どら猫」が一体どんな猫なのか、そして言葉の由来を聞かれても、なんとなくでしか答えられない方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな「どら猫」について深堀りしていきたいと思います。
どら猫の意味と語源
どら猫の意味
盗み食いなどをするずうずうしい猫。また、野良猫。
『デジタル大辞泉』小学館より(参照2021-08-27)
辞書には、どら猫は盗み食いをする猫と書かれていました。たしかにサザエさんの歌の中でも、どら猫の前にはっきりと「お魚くわえた」と歌っているため、歌の中に出てくる猫はたしかにどら猫であることが分かります。
そしてこの言葉が生まれたのは江戸時代なのではないかと言われており、その頃は現在と違って窓などがありませんでした。そのため、のら猫たちが入り放題・食材が盗まれ放題だったのかもしれません。そうなれば、「このどら猫ー!」と追いかけたくなる気持ちも分かりますね…。
しかし、意味が分かったとしても「どら猫」の言葉の由来はまだ分かりません。一体どら猫の「どら」はどこからやってきたのでしょうか。
どら猫の語源は「銅鑼」
銅鑼(どら)とは、金属で出来た円盤を縦に吊るしてバチで打ち鳴らす打楽器です。古くから茶道や出航の際に用いられてきました。また、銅鑼は英語ではゴングと言い、ボクシングの試合でもよく使われています。
どうしてこの銅鑼が「どら猫」の語源なのかは、まず「どら息子」の語源を理解する必要があります。どら息子とは怠けもので働かない、素行が悪く遊び呆けている息子を指しますが、そのような息子はいずれ親のお金を尽きさせてしまいますよね。
その「お金が尽きる」という言葉を、「金を尽く」→「鐘を突く」→「銅鑼を突く」と変化させ、「どら息子」という言葉が生まれました。
そして、どら猫は盗みをすることで人のお金を尽きさせる、ということから「どら息子」と同じように「どら猫」と呼ばれるようになりました。
・・・とは言っても、これは説の1つにしかすぎません。明確な根拠が未だないのです。他にも、「道楽」から取ったという話や、単に「のら猫」から変化させたのではないか、など様々な説があります。
どら猫とのら猫の違い
どら猫とのら猫の違いはとっても簡単です。盗みをするか、しないか。
しかし、ドシッとふてぶてしく座っているような猫は、盗みなどしなくてもどら猫と言われてしまうこともあるようです。おそらく「この猫はたぶん物を盗んでるだろう」と勝手にイメージを付けられてしまうからでしょうね…。
ですが最近ではお家の防犯対策がとてもしっかりとしているため、猫が家に忍び込んで食料を盗むなんてことは滅多にないですよね。
「どら猫」という言葉は時代の流れによって薄れつつあるのかもしれません…。
さて、どら猫の語源が分かったところで、『そういえば「のら猫」は何だったっけ?』と気になっている方もいるのではないでしょうか?
のら猫の語源
驚く方もいるかもしれませんが、「のら猫」は漢字で「野良猫」と書きますが、「野良」が語源ではありません。これ、あとから付いた当て字なのです。
本当の語源は、「のらりくらり」。
昔の人々は今より働き者だったとよく言われますが、もしかしたら猫の自由気ままに生きる姿に少しあこがれていたのかもしれません。
番外編:どら焼きの語源は?
実はどら焼きの「どら」も、どら猫同様、打楽器の銅鑼から名付けられました。
しかし、怠け者で金を尽くす・・・などの理由から付けられたわけではありません。どら焼きの語源には、
- 色や形が似ていることから
- 鉄板の代わりに銅鑼の上で生地を焼いたから
という2つの説があり、どら猫と語源は一緒だけれど意味が全く違うのです。
ところで、どら焼きが大好きなあのキャラクターの語源は一体何なのでしょうか?
あの人気キャラクターの「ドラ」の由来は?
サザエさんと同様に国民的人気アニメである「ドラえもん」。
大好物が「どら焼き」であるため、どら焼きから名付けられたのでは?という憶測をもされがちですが、実際のところは「どら猫」から来ているようです。
ちなみにどら焼きが大好物の理由は「ドラえもん」の名前に「どら」が入っていたため、だそうです。
さいごに
どら猫という言葉が生まれたのは江戸時代…。これだけ聞くと、江戸時代に生きた猫は人々から煙たがられていたのでは?と想像してしまいます。しかし!江戸時代では猫が浮世絵や絵本に描かれたりペットとして可愛がられるなど、度々「猫ブーム」が起こっていたそうです^^
そのため、「迷惑だけれど可愛くて憎めない。」そんな気持ちから「どら猫」と名付けられたのかもしれません!
私も人生で一度くらいは「お魚くわえたどら猫」、見てみたいなぁ…。
カテゴリ:まめ知識
- ペットdeペット編集部 うーたん 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。
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