まめ知識

呼んでも振り向かないけど心はつながっている?猫の聴覚における空間認識能力がスゴイ!

(ペットdeペット編集部)

 

愛猫の名前をいくら呼んでも振り向いてくれない。そんな悩みを抱えている飼い主さんは必見です。

猫は飼い主の声をしっかりと聞き分け、飼い主の場所までも認識していることが明らかになりました。

目次

呼んでも振り向いてくれないと切ない・・

愛猫をいくら呼んでも、全然こちらを向いてくれない時ってありますよね。

嫌われていないと分かってはいるけれど、いざ呼んでみてそっぽを向かれてしまうと不安になってしまう。そんな飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

しかしそんな飼い主の不安を拭い去る、心の温まる研究結果が発表されました。

猫は飼い主を心でとらえていた

2021年11月10日に科学誌「PLOS ONE」にて発表された、高木 佐保氏(麻布大学・日本学術振興会特別研究員)らによる研究結果が話題になっています。

どういった実験だったのか

実験は、猫を部屋に1匹にし、お部屋の外に置いたスピーカーであらかじめ録音しておいた飼い主が呼ぶ声を5回流し、それから間をあけずにお部屋の中に置いておいたスピーカーで同じ音を流すというもの。

5回までは慣れ親しんだ声なので猫は反応を示さなかったようですが、6回目で急に違う場所から声が聞こえたため、多くの猫が驚いた様子を見せたようです。

ただ6回目の声を別人の声にしたところ、猫はそれほど驚かなかったそう。また、同居している猫の鳴き声のパターンや電子音のパターンでも同様に実験をしましたが、猫はほとんど反応を見せなかったそうです。

研究から分かったことは

この研究から、猫は視覚に頼らず音などを手がかりにし、頭の中で飼い主がどの辺りにいるかを把握、つまり社会空間認識能力に長けていることが明らかになり、

実験の中で飼い主の声に対しての反応が強かったことから、飼い猫にとって飼い主の声は特別なものであることを決定づけました。

猫の研究は苦労が多いそうだ

実験はシンプルだが、検証に必要な数のネコを募ることや、ネコに実験を最後までやり遂げさせること、「驚いた」という評価の客観性を論文の投稿先に理解してもらうことなど、あらゆる局面で苦労したという。

そっぽ向くネコ、実は飼い主を気にかけている 50匹の実験で発見

猫の性質上、犬よりも実験が難しいようで、もともと心理や行動による研究報告は少ないのだそうです。今回は50匹の猫に参加してもらったそうですが、思い通りにいかないことも多かったでしょうね・・。

ただ、猫に注目が集まる現在、猫の研究報告は間違いなく増えていくことでしょう。

クールだけど、ちゃんと伝わっている

飼い主の声に強い反応があったこと、それは猫の飼い主にとってとても嬉しい研究結果なのではないでしょうか。

名前を呼んでも遠くを見てぼーっとしていたり、ただ寝ているように見えても、猫の心には届いていたようです。

おそらく飼い猫の普段のぷいっとした態度は、飼い主がいつでも一緒であるという安心感の表れなのでしょう。飼い主さんは自信を持って、これからも変わらずに可愛がってあげましょう^^

参考

「Socio-spatial cognition in cats: Mentally mapping owner’s location from voice」科学誌PLOS ONE [参照2021-12-22]

「そっぽ向くネコ、実は飼い主を気にかけている 50匹の実験で発見」朝日新聞DIGITAL [参照2021-12-22]

カテゴリ:まめ知識

ペットdeペット編集部 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。

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