ペットとお金

知っておきたい!ペットの『往診』最新事情

(キッズ・マネー・ステーション認定講師)

 

ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。

先日、お客様との会話の中で、在宅介護中のご高齢のお母さまを病院に連れて行くのが困難となり、定期的に医師の往診をお願いしているという話をお聞きしました。その際、ペットを動物病院に連れていくために家を空けるのが難しいとお悩みのご様子でしたが、『ペットも往診してくれるところがある』という話題になりました。近年ではペットの往診可能な動物病院が増えているようです。そこで今回は、ペットの往診事情について調べました。

『通院』はひと苦労!

人もペットも高齢化が進む中、『うちのペットを動物病院まで連れて行くのがひと苦労で…』というお話をよく耳にします。そもそも喜んで動物病院に連れていかれるペットよりは、嫌がるペットを無理やりなんとか連れていくパターンが多いのではないでしょうか。

筆者も動物病院の待合室で、恐怖に怯えてブルブル震える愛犬を膝に抱いて診察を待っていたことを思い出します。移動時間や待ち時間の間もずっと緊張しているペットと寄り添う飼い主さんにとっても、ペット自身にとってもストレスは軽くはありません。

『往診』を活用するメリット
  • ペットが極度に病院嫌い
  • 育児、介護中で家を空けることが難しい
  • 診察待ち時間が長い
  • 多頭飼育の為移動が大変
  • 大型犬や高齢ペットの為、移動が困難・・・
などなど、様々な理由でペットを動物病院に連れていくことが難しい場合、往診の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

診療内容については各病院により異なりますが、一般的には以下のような診療が可能なところが多いようです。

〈主な診療内容の例〉
  • 血液検査などの定期健診
  • 予防接種、フィラリア予防、慢性疾患の継続治療
  • 耳、眼、尿、便検査、超音波検査などの一般診療
  • 老齢に伴う認知症や身体の衰えをケア
  • 痛みを緩和し、生活の質を上げる終末医療
  • 食事や栄養指導

こうして診療内容を見ると、ペットも人間とあまり変わらない印象を受けますね。

まず確認すべきポイント3つ

往診サービスを利用する際に、事前に確認すべきポイントがあります。

① 対象地域と対応可能時間
お住まいの地域が、往診可能の動物病院の対象エリアとなっているか確認しましょう。
対象外エリアの場合は応相談となっていることがあります。完全予約制の往診専門動物病院がほとんどですので、直前の日程変更は調整が難しいため、診療可能時間についても十分確認し、スケジュール的に無理のない日程で予約をしましょう。
② 診療内容
ペットの症状にあった診療が可能かどうか確認しましょう。往診診療では対応が難しいこともあります。設備や機材が限られているため、原則としてレントゲン検査や入院・外科手術等が必要な場合には対応可能病院を紹介されたり、症状によっては救急病院への受診を勧められる場合があります。また、犬猫のがん治療や、猫の慢性腎不全の治療に特化した往診専門動物病院など、特色ある往診専門病院も徐々に増えているようです。
③ 料金支払い方法
料金の『支払い方法』については必ず事前に確認しておきましょう。 現金払のみか、クレジットカード払等のキャッシュレス対応可能か、ホームページ等に明記していない場合は予約の際に確認しましょう。

往診専門動物病院では、獣医師の先生個人で運営されているところが多いため、直前のお問い合わせには対応できないことがありますので、気になることは事前に確認しておきましょう。

『往診料』は要チェック

通常、往診可能な動物病院のホームページには診療費の項目が明記されていますので確認しておきましょう。

〈一般的な料金例〉
初診料 1,500円~2,000円程度
再診料 1,000円~
検査・処置の一部
・皮下注射 1,320円~
・皮下点滴 2,200円~
・尿検査 2,420円
・糞便検査 1,100円~
・血液検査 内容に応じて
・エコー検査 3,300円~
・狂犬病予防注射 3,850円
・犬5種ワクチン 7,700円
・猫3種ワクチン 6,050円

一般的な初診料と再診料、検査や処置の料金はどこの往診病院でもほぼ同程度の設定でしたが、別途必要な『往診料』については、病院により異なりますので注意が必要です。

往診料の例としては、対象エリア内なら一律5,500円(※エリア外の場合は応相談)とするケースや、走行距離により『片道5㎞につき2,200円』等の設定があるケースもあります。原則として、高速道路料金や有料駐車場代金は飼い主さんの負担となります。遠くから来てもらう場合、コストはかかることを理解しておきましょう。

たよれる先は複数確保!

いざというときに頼れる選択肢は一か所だけではなく、複数確保しておくのがお勧めです。かかりつけの動物病院を確保したうえで、別途往診を頼める動物病院も把握しておくことで、かかりつけに通院するのが難しいとき等でも安心してペットを診てもらうことができます。コストはそれなりにかかりますが、飼い主さんにもペットにもストレスが軽減されるペットの往診サービスは、今後ますます全国的に需要が高まりそうだと感じています。

※令和5年1月時点での情報です。

カテゴリ:ペットとお金

キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 金銭教育を受ける機会を得られないまま社会人となり、家計のやりくりに悩んだことから平成二十年FP資格取得。「常識にとらわれず実践から学ぶ!」をモットーに、子どもたちが上手にお金とつきあえる大人になれるよう、試行錯誤しつつ活動中。動物全般大好きです♪

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